試験当日の朝、駅のホームや会場へ向かうバスの中で、必死に分厚いテキストをめくっている受験生を大勢見かけます。中には、試験開始のチャイムが鳴る直前まで、ノートを血眼になって見返している人もいるでしょう。
しかし、私はあえて言いたい。「合格したいなら、当日はノートもテキストも見ないでください」と。
なぜ、直前の詰め込みが逆効果なのか。合格を勝ち取った私なりの、脳を一番良いパフォーマンスに保つための当日戦略を解説します。
1. 脳は寝ている間に「情報の整理整頓」を終えている
私たちの脳は非常に優秀です。前日までに必死に詰め込んだ膨大な知識は、睡眠というプロセスを経て、脳内の適切な「引き出し」に、整然とインデックス(索引)が貼られた状態で収納されています。
詰め込むのではなく「そっと持って行く」
前日のリラックスと、前夜の睡眠によって、あなたの脳内はすでに合格のための準備を完了しています。当日の朝にやるべきことは、新しい知識をねじ込むことではなく、整理された情報を「そのままの形で」試験会場までそっと運んでいくことです。
せっかく引き出しに綺麗に並べられた知識を、当日のパニックによる見直しで「ごちゃごちゃとかき回す」必要がどこにあるでしょうか。見たところで「ここが覚え切れていない気がする」「ここが出たら答えられるだろうか」不安を煽るばかりです。
試験は「記憶を取り出す作業」にすぎない
宅建試験は、2時間の制限時間内に、いかに正確に脳の引き出しから知識を取り出せるかの勝負です。
「あ、これは業法のあの部分だ」「これは権利関係のあの特例だ」と、必要な時にすぐ手が届く場所に知識があること。そのためには、脳を朝からクリアで静かな状態に保っておくことが不可欠なのです。
2. 移動時間は「情報の静寂」を徹底する
会場までの移動時間で脳を刺激しすぎないことが、本番での集中力に直結します。
お気に入りの音楽すら「雑音」になる
私は試験当日、普段移動中に聴いているお気に入りの音楽までも断ちました。
歌詞のあるJ-POPや、感情を揺さぶるような曲は、脳のリソースを無意識に消費してしまいます。歌詞のフレーズが試験中に脳内でループしてしまい、肝心の民法の知識を取り出す邪魔になっては本末転倒だからです。
どうしても聴くなら「歌詞なしのクラシック」
静寂が逆に不安を煽るという方には、歌詞のない、落ち着いたテンポのクラシック音楽をおすすめします。
脳を興奮させるのではなく、平常の状態、リラックスに保つこと。淡々と、凪(なぎ)のような精神状態で会場入りすることが、難問に直面した際の冷静な判断力を生みます。
会場の最寄り駅には1時間前には着いて、のんびりしていました。ドリンクには糖分をたっぷり入れました。これは私の験担ぎのようなモノで、色々な試験で糖分を十分補給してきました。
人によっては、糖分を摂取すると眠くなってしまう、という方もいらっしゃると思うのですが、試験中はアドレナリンが出ているので、大丈夫かなと思います。
3. 試験会場での立ち回り:周りに流されない勇気
会場に到着すると、異様な熱気とプレッシャーに包まれます。ここが最後の正念場です。
周囲の焦りを冷静に眺める
周りの受験生たちがボロボロのテキストをめくり、必死に暗記を確認している姿が目に入るでしょう。しかし、そこで焦ってはいけません。
「自分はすでに脳の引き出しを整え終わっている。今さらバタバタせず脳のリソースを大事に使う」
そう心の中で唱えて、テキストはカバンの奥にしまったままにしてください。
自分の「引き出し」の整理状況を確認する
目を閉じて、深呼吸をしましょう。
整理整頓された状態のまま試験開始の合図を待つ。これが、最も「記憶を取り出しやすい」最強の状態です。大丈夫、当日の朝の1時間や2時間、勉強しなかったとて、今までの勉強が支えてくれます。
4. まとめ:一番取り出しやすい状態で、ただマークするだけ
宅建試験は、特別な魔法が必要な試験ではありません。あなたが今日まで積み上げてきた知識を、そのまま正確に解答用紙に転記する。ただそれだけの作業です。
余計な情報を入れず、脳内をごちゃごちゃとかき回さず、一番取り出しやすい状態で会場の椅子に座る。
「私は、整理された知識をそっと運んできた。あとは必要な時に引き出しを開けるだけだ」
そう自分に言い聞かせてください。その自信こそが、合格への最後の一押しになります。
大丈夫、不安は出来るの裏返し。不安になるほどしっかり準備をしてきました。自信を持って、試験に臨んで下さい!
【関連記事】
